Wednesday, December 28, 2011

Working Man's Mystery


主として特許分野の翻訳をやっているのだけれど、関連して、隣接分野の仕事をすることもある。視野が狭くならないように、いろいろやろうと思うけれど、なかなか難しい。

それとはちょっと違って、全く実績がなく、今後も縁がなさそうなのが文芸翻訳。ただ、(軽めの)小説を読んだりするのは好きなので、興味はある。勉強も兼ねて、英語の小説なんかを読んだりもするのだけど、そこそこ楽しめても、読み取れる「濃度」はかなりさっぱりしたもの。文芸翻訳は「憧れ」の段階から一歩も出ていない(笑)。

小説などは少しも訳したことがないわけだけど、10月にアルク翻訳コンテストというのを見つけ、分量も少なかったので、試しに訳してみた。課題文のページはもう削除されているが、L.T Fawkes の Early Eight という作品から出題されていた。



著者のことは全く知らないのだけど、この作品は、三部作の最後らしい。前二作には邦訳がある。課題は、本当に短いシーンなのだけど、なんだか印象に残ったので、シリーズの最初から読んでみることにした(もちろん和訳で…)。





自分の中にあるステレオタイプな「アメリカ」とはちょっと違って、一生懸命働く主人公(テリー・サルツ)と仲間達がとても好ましい。その「一生懸命」さが、日本のように張りつめた感じではなく、どこかリラックスしていて、いつも淡々と楽しい雰囲気が背景に流れている。こんな「アメリカ」に憧れてしまいそう。ニュースに出てくるニューヨークや D.C. とはちょっと違っていた。

結局、絶版の"Early Eight"も、古本を取り寄せて読んでしまった。前の二作を和文で読んでいたので、訳語に対応する英語表現などに気づいたり、二重に楽しめた感じ。

残念ながら、このシリーズは、三冊で終わりらしい。

文芸分野のプロを目指して取り組んでいる方々には申し訳ないが、ちょっと楽しい経験だった。

鈴木恵さんの訳文も心地よい。和訳を通して未知の作家と出会うときに、訳者の影響は大きいと思う。分野は違うけれど、翻訳はやはり楽しい仕事だなぁ

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